被用者年金一元化により厚生年金に統一されるが、以下のような差異がある。

• 遺族年金受給権発生時の夫・父母・祖父母の、中高年寡婦加算の妻の年齢条件がない。

• 遺族年金の転給制度あり。

• 公務等による災害補償との調整は共済年金側が減額される。

現在の過去10年分後納制度は平成27年9月末で終了となる。
日本年金機構：国民年金保険料の後納制度
平成27年10月からは新たな過去5年の後納制度が始まるが、平成30年9月まで3年間の期間限定で、保険料も現制度より増加するらしい。
総務省：年金保険料の納め忘れのある方は「後納制度」をご利用ください。 (上の囲み枠内参照)

間違い相談事例(P.81)について
通常、60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金を受給していれば、65歳請求はがきを返送しなければ(手続をしなければ)繰下げの扱いとなる。
事例では「繰下げ申出書を受理していない」(手続していない)ために繰下げにならなかった、との内容になっている。
これはおそらく、65歳を過ぎてから初めて年金請求の手続きが行われたケースで、この場合は年金請求書と同時に 支給繰下げ申出書を提出しなければ繰下げを行うことができない。
年金事務所の担当者がこの支給繰下げ申出書を請求者に渡さず、通常の請求書のみが提出されたものと思われる。
このケースでは一度受給が始まってしまったためもう繰下げはできないことになる。

国民年金の免除が認められた場合には、既に納付したものを除き保険料が免除となる。
法改正前は「前納されたものをのぞき」という条文があったが、法改正により削除された(国民年金法第八十九条、九十条。 新旧対照表)。
前納された保険料は前納に係る期間の各月が経過した際に、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなされる(国民年金法第九十三条３項)。
そのため保険料前納後に免除を申請して認められた場合には、未経過月分の保険料が還付される。
法改正により年金の免除が2年1月前まで遡及して認められるようになったが、この場合も同様に既に納付された保険料、前納した保険料のうち既に経過した月の保険料は還付さず、前納分の未経過月分の保険料のみが還付される。

【例での説明】

例①：上図で平成27年4月に1年分前納した者が、9月に免除申請して認可された場合、既に経過した8月までの保険料は還付されず(納付済み月となる)、まだ経過していない9月以降翌年3月分までの保険料が還付となる。

例②：平成26年5月以前は保険料納付済み、6月から平成27年3月まで未納、4月から1年分保険料を前納した者が、平成27年6月に前年分まで遡及して免除申請して認可された場合、平成26年6月から平成27年3月までの未納期間と平成27年6月以降が免除期間となり、保険料納付済みの平成26年4月5月、前納経過済みの平成27年4月5月は保険料納付済みとなり、同6月以降の保険料が還付となる。

定年退職等で離職し、雇用保険の基本手当を受給する場合は、受給開始を最大1年延期することができる。
但しこの延期は離職後２ヶ月以内に申し出なければならない。もし何らかの理由で２ヶ月を過ぎてしまった場合は、延期が受理されないわけではなく、２ヶ月を超えた分、受給手続き後の受給期間(通常１年)が２ヶ月を超えた日数分短縮される。

上図で延長申請期間を網掛け部の日数超過して申請した場合、受給期間がその日数分短縮される。

従来、厚生年金の70歳以上被用者についての届出関係は、昭和12年4月1日以前生れの方は対象外であった(法改正時にすでに70歳以上だったため)。
被用者年金ー元化に伴う法改正で、生年月日による除外がなくなり、全ての70歳以上が対象となる(法改正新旧対象表)。
平成27年時点では満78歳以上となるので、経営者や役員等で該当される方がおられる場合、在職老齢年金の調整対象となる可能性がある。

従来、厚生年金の被保険者資格を取得した月に喪失した場合(いわゆる同月得喪)、1ヶ月分の保険料が徴収されていた。
被用者年金ー元化に伴う法改正で、その月に国民年金の被保険者資格(第2号被保険者を除く)を取得した場合は保険料は徴収されないこととなった(法改正新旧対象表)。
注：海外在住者や20歳未満、60歳以上などの場合は厚生年金の被保険者資格を喪失しても国民年金の被保険者になるとは限らないので注意を要す。